経歴が汚い人と綺麗な人

転職などを扱う人材紹介会社には、
履歴が綺麗な人、履歴が汚れている人、経歴が汚い人

といった、少し差別的な言い回しが存在するそうです。経歴が綺麗な人とか経歴が汚い人というのは、その言葉のイメージから予想できる通り、転職回数が多いかどうか、卒業した大学がどの程度の大学か、といったことを基準に振り分けられているようです。

もちろん、これはあくまでも隠語であり公の場で使われるような言葉ではありません。しかし、転職エージェントといった人材紹介会社の個人的な会話レベルでは、半ば当たり前のように使われる言葉だったりもするようです。

転職エージェントは多くの人々を経歴で判断していきます。当然、人の歴史を見る機会も多く、どうしてもそこから受ける印象で良い悪い、きれい汚い、といった言い回しをしてしまうのでしょう。

例えば、一流大学を出て、一流企業に就職し、転職経験のない人だったりすると、転職サービスの担当者から見ると、非常に経歴の綺麗な人という印象を受けるようです。転職ばかりを繰り返し、履歴書の職務経歴欄がびっしり埋まるような人と比べると、とうしても印象に差が出てくるのは仕方のないことかもしれません。

しかし、ここ5年ほどの間に、そうした転職希望者の経歴に対する見方も大きく様変わりしてきているようです。何故かと言うと、必ずしも経歴の綺麗な人が、転職後に良い働きをするとは限らない、そういった認識が転職を受け入れる企業側で広まってきたからです。

特に、大企業に勤めている人が転職をするとなると、次の転職先が規模の比較的小さなベンチャー企業や、中小企業だったりする場合が少なくありません。こうした時に、この問題は顕在化します。

大企業での仕事と、中小企業での仕事では、少なくとも仕事に対する認識や、求められる視点が大きく異なります。そうした基本的な仕事の土台を理解した上で動ける人が中小企業でも成果をあげられる人です。しかし、環境が整い、分業が進んでいる大企業で仕事を覚えてきた人にとって、あれもこれも目配せをしておかなくてはならない中小企業での仕事は、少々荷が重いケースが少なくないようです。

そのため、一流企業からの転職者に対し、中小企業サイドは、本当にこの人は自分の会社で実績を上げていけるのかどうか、判断に悩んでしまうのです。

こういう場合には職務経歴書がものをいいます。転職暦が多ければ、在籍していた企業名を伝えるだけでも、ある程度経験してきた仕事の内容は把握できたりもしますが、経歴の綺麗な人と言うのは、1社だけしか勤めてないわけですから、どのような仕事をこなしてきたのか、履歴書だけではほぼ判断できません。

よって、詳細に自分の経歴を記した職務経歴書がものを言うわけです。もちろん、そうした場合であっても、基本的に仕事を遂行していく土台が大きく変わることが本当にわかっているのか、その点は測りようがありません。

しかし、自分の経歴を相手に伝えようとする姿勢や、面接での態度、立ち振る舞い、言動といったものを見ればある程度の期待値では判断が可能になってきます。

経歴のきれい、汚いだけでは推し量ることができないと言う認識が広まっていることを逆手に取れば、上手に転職活動を乗り切ることも可能なのではないでしょうか。

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